嶋野百恵やポチョムキンとのコラボも合間に遂行しつつ、近年はマイペースにいいペースを保っているLIBRO。今回の新作は97年の初シングル“軌跡”から20年という節目を祝祭するべく、過去曲の再構築に新曲を加えた変則的な構成だ。冒頭から“雨降りの月曜”(98年)のDJ BAKUリミックスが降り注ぎ、そこから“MIND TUNER”(2014年)、劇的なループに針を落として20年を振り返る新曲“リアルスクリーン”と続くが、吹き込まれる言葉の密度や節回しなど個性の変わらぬ強度に圧倒される。他の新曲には小林勝行や鬼が客演。いかにもLIBROらしい“言葉の強度がラッパーの貨幣”などを聴けば、PUNPEEの元祖のようなクセの旨味を感じる人もいそうな気がして、そんな意味でも意義あるLIBRO三昧な一枚。