作曲者自身がピアノ用に編曲した3曲。ハリウッド映画音楽の原型ともいえる音楽を沢山書いた彼の多彩な筆致は、ピアノでも様々な情景と音色を提供。その後バロック、ロマン、フランスもの、と続き最後に邦人作品で締められている。花岡といえば過去のアルバムでも邦人作品を多く取り上げているが、信長貴冨の前奏曲は躍動的な重音動機が特徴的な子供のための小品。坂本龍一の作品も取り上げている幅広さ。全体的に感情に溺れることなく、知性あるピアニズムに裏打ちされた委細に行き届いた演奏で、選曲の妙が光るアルバム。