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末井昭「素敵なダイナマイトスキャンダル」 これが実話とは信じられない、オモシロすぎる波乱人生がまさかの映画化!

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  • 2017.12.05

これが実話とは信じられない、オモシロすぎる波乱人生がまさかの映画化!

末井昭 素敵なダイナマイトスキャンダル ちくま文庫(1990)

 まさかの映画化である。冷静にはなれない。1982年に出版された初版を引っ張り出してみたら、末井さんの似顔絵付きのサイン本だった。懐かしい。この本は、お母さんがダイナマイト心中してしまうショッキングな出来事からはじまるのだが、それを飄々と語る軽妙さには本当に感心させられる。末井さんが70年代後半から創刊していく雑誌は、エロ雑誌の体裁をとりつつ田中小実昌、嵐山光三郎、平岡正明、南伸坊、上杉清文という豪華執筆陣を抱えた超絶面白本であった。ぼくが映画学校の先輩の紹介で、末井さんに初めて会ったのは20歳の頃だった。高田馬場の小さな編集部にはたった二人しかおらず、雑誌ってそんな人数で作れるものかとびっくりした。その3時間後、部屋に戻ると末井さんから電話があった。なんと友川かずきロングインタヴューの依頼だった。彼の自宅で興奮気味にインタヴューした。誰にも言わなかったが、今になって思うと彼はエロ雑誌を少しバカにしていた。まったくもってがっかりだ。ぼくは『ウィークエンドスーパー』で連載もしたし、3号でなくなった『映画少年』では、大山倍達インタヴューを任された。大役だったけど、たいていは梅林さんという名ライターが行けないときだけ、ぼくに仕事がやってきた。ぼくはこの本に登場する末井さんが編集したすべての雑誌に関わっていたし、登場するほぼすべての人を知っている。この本を読めばわかるだろうが、何かにつけて、ヒカシューと末井さんは一緒に演奏している。糸井重里命名による高級芸術集団HAND-JEOが活動した頃だ。いきなりサックスを買って、ライブハウスLa Mamaに出演したり、兵庫県立美術館で、具体派の人たちに混じってパフォーマンスをしたり、あまりに関わりすぎているので、とても客観的に書けない。

 そして、最近の末井さんは、『自殺』『結婚』という人気エッセイを連発するエッセイストとして活躍している。この面白さは隠せない。

 


FILM INFORMATION

映画化決定!!!
『素敵なダイナマイトスキャンダル』

監督・脚本:冨永昌敬 音楽:菊地成孔/小田朋美
出演:柄本佑/前田敦子/三浦透子/尾野真千子
配給:東京テアトル
◎2018年3月テアトル新宿ほか全国ロードショー!!
dynamitemovie.jp/

 

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