ホリデイ・アルバムは成功の証! 今年も名だたる大物たちがクリスマス・シーズンを盛り上げるよ!

GWEN STEFANI You Make It Feel Like Christmas Interscope/ユニバーサル(2017)

華やかなビッグバンド・アレンジの“Jingle Bells”で幕を開ける初のホリデイ作品。定番曲とオリジナル曲が6つずつ入った構成で、結婚間近と噂されるブレイク・シェルトンとのデュエットをはじめ、書き下ろしナンバーはいずれも幸せ絶頂のラヴソングです。ドゥワップ調やモータウン・ビート系の曲が目立ち、シーアの“Sunshine”などが気に入った方はこちらもマスト!

 

HANSON Finally It's Christmas S-Curve(2017)

冒頭からビーチ・ボーイズっぽいコーラスを披露し、そう言えば97年の冬盤でも“Little Saint Nick”のカヴァーがあったよな~なんてことを思い出しつつ、20年が経ったいま、3兄弟の演奏は見違えるほど骨太に。ハード・ロックやサザン・ソウルな曲調に乗るシャウトも迫力満点!

 

野宮真貴 野宮真貴、ホリデイ渋谷系を歌う。 ユニバーサル(2017)

好評を博した『ヴァカンス渋谷系を歌う。』の続編は、渡辺満里奈やカジヒデキとの共演曲など、あの頃の夢の続きを見せてくれるような一枚。ウォール・オブ・サウンドな演奏で鈴木雅之とデュエットした槇原敬之“冬がはじまるよ”のカヴァーや、大滝詠一の愛唱歌でもあったという童謡“雪”が最高。

 

HERB ALPERT The Christmas Wish Warner Bros.(2017)

8月にカヴァー集を出したばかりの大御所トランぺッター(御年82!)から届いた50年ぶりのクリスマス・ギフト。シンフォニックな分厚い音の中にボサノヴァ由来の軽やかさを混ぜるなど、お馴染みのフレーズを自由かつ気持ち良さそうに崩していく姿があっぱれ。リチャード本人がリアレンジしたカーペンターズ“Merry Christmas, Darling”に、往年のA&Mファンならば狂喜乱舞?

 

CHEAP TRICK Christmas Christmas Big Machine(2017)

昨年にビッグ・マシーンへ移籍して何度目かの黄金期を迎えている4人組。そんな好況を受け、デビュー40年目にして初のクリスマス企画が実現。メロウ路線から前作で爆裂パワー・ポップに戻った流れを引き継ぎ、今作もラウドな内容です。ウィザードやラモーンズなどカヴァー曲選びもバッチリ!

 

FANTASIA Christmas After Midnight Concord(2017)

ロン・フェアがバックアップした移籍第1弾です。流行など気にも止めず、R&Bの真髄を説くようなエモーション剥き出しの歌声で圧倒していて、シー・ローとの“Baby, It's Cold Outside”ほか、ロッキン・ソウルやブルージーな味付けによって誰もが知る曲を完全に自分のモノとする力技たるや! ゴスペリッシュなレナード・コーエンのカヴァーが聴けるラストまで鳥肌立ちっぱなし!

 

H ZETTRIO H ZETTRIOのChristmas Songs apart.RECORDS(2017)

高い技術を持つこのピアノ・トリオが、歌い継がれてきたナンバーを好き放題に演奏したら、こんなことになってしまうのか!と感心。有名フレーズを矢継ぎ早に盛り込むオープナーや、パーカッシヴな鍵盤捌きでサンタの慌てぶりを表現した“あわてんぼうのサンタクロース”など、このアルバムがあれば忙しない師走も楽しく乗り切れそう。

 

LINDSEY STIRLING Warmer In The Winter Concord/ユニバーサル(2017)

踊るヴァイオリニストは〈くるみ割り人形〉や〈御使いうたいて〉を我流に披露。いつもよりクラシカル成分が濃く、得意のダブステップ~EDMを封印していますが、間に驚きのフレーズを挿む遊び心は流石です。オール・タイム・ロウのアレックスを迎えたワム!風や、トロンボーン・ショーティとのスウィング・ジャズといったオリジナル曲も良い出来。

 

SHOWSTOPPERS Glamorous X’mas Billboard(2017)

Elianaとダンドイ舞莉花という実力派のミュージカル女優(前者はかつてDJ KAORIプロデュースのもと歌手デビューも経験)が放った一枚。舞台「シカゴ」の世界から飛び出したようなゴージャス&パワフルな仕上がりで、威圧感バリバリの竹内まりや“すてきなホリデイ”も凄い!

 

98 DEGREES Let It Snow Universal(2017)

2013年の復帰盤を挿み、古巣のユニバーサルへ! 4人とも順調にお腹が出てきて、オールドタイミーなロックンロール“Run Rudolph Run”での野暮ったさが妙に微笑ましいのですが、ニックとジェフがリードを取るスロウ群の甘美な味わいは往時から衰えることなく。アカペラで挑んだ“The First Noel”ほか、完璧なハモリからもアートワーク通りの仲良さげな雰囲気が伝わってきます。

 

REBA McENTIRE My Kind Of Christmas Nash Icon/Big Machine(2017)

昨年に配信&アナログ限定で発表した3枚目のホリデイ盤がCD化。ほぼピアノのみのバッキングだからこそ主役の高い表現力が浮き彫りになり、スロウでのどっしりした貫禄もさることながら、ラグタイム調で発揮されるチャーミングな歌声に心躍ります。トリーシャ・イヤーウッドやケリー・クラークソンら彼女を慕う後輩も多数参加。

 

DAVE KOZ Dave Koz & Friends 20th Anniversary Christmas Concord(2017)

もはやデイヴ・コーズのライフワークとなっている聖夜ツアーが20年目に突入! それを記念したこのアルバムはデヴィッド・ベノワをはじめとするいつもの仲間に、セリーナ・オルブライトやケニー・ラティモアらを交えたアーベインな逸品。これくらいロマンティックにカッコつけるクリスマスがあっても良いと思います。

 

VARIOUS ARTISTS Mariah Carey's All I Want For Christmas Is You RCA/ソニー(2017)

自身の大ヒット“All I Want For Christmas Is You”(94年)をモチーフとしたマライア・キャリー作の絵本がアニメ化。本作はそのサントラで、大人気子役のブレアナ・イー・イーディが歌う同曲のカヴァーほか、マライアの新録曲もあり。ロカビリーな“Lil Snow”に驚かされつつ、初期作品を思わせるオーセンティックな美スロウ2曲にうっとりします。

 

ELVIS PRESLEY Christmas With Elvis And The Royal Philharmonic Orchestra Legacy/ソニー(2017)

プレスリーとロイヤル・フィル管弦楽団の疑似共演シリーズ第3弾は、『Elvis' Christmas Album』の60周年を祝い、同作と71年作『Elvis Sings The Wonderful World Of Christmas』の歌唱を元にした一枚。白眉はやはり、キラキラしたオーケストラ・アレンジとの対比によって歌メロの切なさがいっそう増した“Blue Christmas”でしょう。

 

CHRIS ISAAK Live On Soundstage BMG Rights(2017)

ニコール・アトキンス作品への参加も記憶に新しいロックンロール歌手。本作は2004年のクリスマス公演を音盤化したもので、マイケル・ブーブレとの新旧キザ対決や、スティーヴィー・ニックスをワイルドにエスコートする姿が確認できます。『Elvis' Christmas Album』に近いムード。

 

Gondo's Carol Brass Ensemble Silent Night B.J.L/AWDR/LR2(2017)

METAFIVEやpupa、蓮沼執太フィルでも活躍するゴンドウトモヒコを中心とした管楽器六重奏アンサンブルの初音源集。30曲に及ぶクリスマス・キャロルをすべて一発録りし、多少のズレもあえて活かすことで温かい手作り感を生んでいて、穏やかな12月の風景を見事に表現しています。