INTERVIEW

のん“スーパーヒーローになりたい” いよいよ本格的にCDデビュー! 高野寛の提供曲や自由な発想の自作曲を含む初シングル

のん“スーパーヒーローになりたい” いよいよ本格的にCDデビュー! 高野寛の提供曲や自由な発想の自作曲を含む初シングル

 〈女優/創作あーちすと〉であるのんが、初のシングルCD“スーパーヒーローになりたい”をリリースした。この夏に自身のレーベル、KAIWA(RE)CORDを起ち上げ、すでにカセット/アナログEPを発表してきた彼女。今作には高野寛の作詞/作曲による“スーパーヒーローになりたい”に加え、のん自身が作詞/作曲を手掛け、みずから弾くギターもフィーチャーされた“へーんなのっ”も収録。本格的なデビューを飾る彼女に、まずは音楽との出会いから訊いてみた。

のん スーパーヒーローになりたい KAIWA(RE)CORD(2017)

 「小6の頃、友達に誘われてバンドで歌ったのが最初で、大塚愛さんの“さくらんぼ”とか歌っていました。ギターも中学から始めて、地元の役場のおじさんに教えてもらいながら毎日のように練習していました」。

 中学時代は同級生や妹と一緒にバンドを結成し、GO!GO!7188のコピーなどに明け暮れていたという。

 「みんなで〈デビューしたいね!〉なんて盛り上がったりしたけど、私が高校で上京したのでバンドは解散しちゃって。でも、東京に来てからも時間があれば家で一人でギターは弾いていました」。

 高校生のときは「なぜか〈暗い〉ブームが来て」レディオヘッドらも聴いていたそうだが、女優の仕事の合間にギターを弾いていたというから、音楽の道への下地は以前よりあったと言える。

 「ずっと音楽に興味はあったんですが、自由な発想が湧いてきたのは、のんになってからですね。自分で音楽を作って発信してもいいんだってわかってからは、臆することなくチャレンジしていこうと思いました」。

 LINEモバイルのCMで使用されたキリンジの“エイリアンズ”を堀込泰行のプロデュースによりアコースティック・ヴァージョンでカヴァー/配信したことも話題を呼んだが、続いてKAIWA(RE)CORDから『オヒロメ・パック』と銘打ったカセットテープ付きのスペシャル・パッケージをリリース。〈WORLD HAPPINESS 2017〉にもスペシャル・ゲストとして出演した。

 「レーベル名も、最初は〈のんトラボルタ〉とか〈のんライドン〉とかいろいろ考えたんですが、口下手でも音楽でなら会話できるかもと、KAIWA(RE)CORDにして。それと、カセットは親の車の中で聴いていたくらいですけど、可愛くて大好きなんです」。

 先述のカセットに収録され、今回のデビューCDにも収められたのは、サディスティック・ミカ・バンド“タイムマシンにおねがい”の〈WORLD HAPPINESS 2017 MIX〉と、RCサクセション“I LIKE YOU”という2曲のカヴァー。

 「〈タイムマシン~〉は中学のときに他のバンドがコピーをしていたので知っていて、自分で歌うのは初めてだったのですが、不思議と明るさやパワフルさがフィットしました。RCは前から忌野清志郎さんに憧れていたし、この歌がめちゃくちゃ素敵なので歌いたかったんです」。

 そのレコーディングには高橋幸宏、小原礼、仲井戸麗市といった原曲のオリジナル・メンバーが参加し、彼女の船出を強力にバックアップ。また、表題に据えた高野寛の書き下ろし曲について、彼女はこう語る。

 「私、マーベルなんかのヒーローものが好きで、そんな話を高野さんにしたので〈ヒロイン〉じゃなくて〈ヒーロー〉になったのかな。歌詞をいただいたときは〈完璧!〉って感動しました。仮タイトルは〈真夜中の野性〉だったんですけど、それだとちょっとアダルティーな感じなのでこっちになりました(笑)」。

 さらに注目すべきは、のんがソングライティングも担当した“へーんなのっ”。歌詞もサウンドもパンキッシュな仕上がりだ。

 「これは歌詞から書いたんです。普段は口にできないことや、〈性格悪い〉と言われそうなことも、音楽なら正直に言えるような気がして。音楽で〈怒り〉とか〈違和感〉を表現することがいまはおもしろいんです」。

 「変なものは変だ」とハッキリ言い切る素直でタフな精神に、彼女の明朗な資質とアグレッシヴなギターが加わり、“へーんなのっ”は痛快な一曲に。

 「女優としての活動でファンになってくれていた方々も含めてみんなに聴いていただけるような、明るくて、ユーモアがあって、インパクトのある、ちょっと生意気なのんらしい中身になったと思います」。

 「いまが思春期、14歳の気分」と言うのん。彼女が音楽活動でどんなミラクルを見せてくれるのか、期待が高まる。

 


のん

93年、兵庫県生まれの女優/創作あーちすと。2016年は第40回 日本アカデミー賞〈最優秀アニメーション作品賞〉のほか、多くの賞を獲得した劇場版アニメ「この世界の片隅に」で主役・すずの声を担当。写真集「のん、呉へ。2泊3日の旅」も上梓している。2017年は2月にムック本「創作あーちすとNON」を発表。8月には自主レーベルであるKAIWA(RE)CORDを立ち上げ、〈WORLD HAPPINESS 2017〉へ出演。同フェスでカセットテープなどを封入した『オヒロメ・パック』を500部限定でリリースし、9月にはそのアナログEP盤を発表。このたび、初のCD作品となるファースト・シングル“スーパーヒーローになりたい”(KAIWA(RE)CORD)をリリースしたばかり。

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