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RAMMELLSを形成する4人のルーツは?

村山努(ベース)
村山のセレクトによる1枚目は、ジャズを基本とするミクスチャー・サウンドを鳴らすスナーキー・パピーの2016年作『Culcha Vulcha』(Ground Up/Decca)。「今回のアルバムに入ってる“Authentic”という曲は、作るうえでスナーキー・パピーのイメージが少しあって。なおかつ、ギターの目立つフュージョン/プログレっぽいテイストを加えて、ああいう作りになったんですよ」。そして村山の2枚目は、フロントを張るネイ・パームのソロ・デビューも記憶に新しいフューチャー・ソウル・クァルテット、ハイエイタス・カイヨーテの2013年作『Tawk Tomahawk』(Masterworks)。「“playground”はハイエイタス・カイヨーテみたいな雰囲気の曲が欲しくて作ってみた曲です」。

 

真田徹(ギター)
真田がピックした1枚目は、ウィルコの2007年作『Sky Blue Sky』(Nonesuch)。「カントリー風のサウンドなのに、ヘンなギタリストがひとりいることでフツーじゃない音になってる。ウィルコのそういうところが好きで、RAMMELLSの音にも影響は出てるんじゃないかと思いますね。あと、自分が(フェンダー社のギターである)ジャズ・マスターを使ってるのもウィルコの影響だったりします」。そして2枚目は、USのルーツ音楽に根差したサウンドを特徴とするビル・フリゼールの2005年作『East/West』(Nonesuch)。「ビル・フリゼールってジャズ・ギタリストとして括られることが多いと思うんですけど、普段はジャズ・ギタリストのアルバムばかり聴いてます。これはそのなかでも好きなアルバム」。

 

黒田秋子(ヴォーカル/キーボード)
黒田が選ぶ1枚目は、「一番最初に買ったアルバム」というthe brilliant greenの99年作『TERRA2001』(ソニー)。「今回のアルバムに入ってる“CHERRY”にはちょっとブリグリのイメージがあって。そうやって誰かの歌を頭に描いて歌うことはよくありますね。結局自分の歌になっちゃうし、真似するわけじゃないんだけど」。続く2枚目は、エイミー・ワインハウスの2006年作『Back To Black』(Island)。『Authentic』に収録された“AMY”は彼女のドキュメンタリー映画を観たことをきっかけに書いたという。「大学時代、“Lullaby Of Birdland”っていうジャズ・スタンダードをカヴァーすることになって、いろんな人のヴァージョンを聴いたんですけど、エイミーが一番格好良かった。それから聴くようになって」。

 

彦坂玄(ドラムス)
彦坂の1枚目は、オッド・フューチャーの紅一点を含むソウル/R&Bユニット、インターネットの2015年作『Ego Death』(Odd Future)。「去年に入ってから初めて聴いたんですけど、RAMMELLSと同じ女性ヴォーカルだし、こういうことをやってみたいなと思って。バンド編成がちょっと近いこともあって、参考にしてます」。もう1枚は、各人が演奏家/プロデューサーとしても活躍するトリオ、Ovallの2010年作『DON'T CARE WHO KNOWS THAT』(origami)。「Ovallが広く注目を集めるきっかけになったアルバムだと思うんですけど、僕もこの作品をきっかけにより深くブラック・ミュージックに関心を持つようになって。最初聴いたとき、日本人だと思わなかったんですよ。すごい人たちだなと思って」。