ソロ名義では約4年半ぶりとなるフル・アルバムは、総勢20名にも及ぶアーティストを客演に迎えた一作に。近年続いたOlive Oilやアーロン・チューライとの共作などにおける端正な作風は両者のトラック提供を含めて引き継ぎつつ、よりストレートなヒップホップ路線を鮮やかに打ち出している。“King Song”はドラマティックなトラック展開と前のめりなラップが幕開けにバッチリとハマる見事な花火。Dusty HuskyとCampanellaの援護射撃にツバ飛ばし応える“Smiles Davis”、ISSUGIとサシで向き合った“PenDrop”を経て、OMSB、PETZ、YUKSTA-ILL、SOCKS、Miles Word、BESとマイクを回す“Prodigy”が前半の山場に。以降もFEBB×MUD(KANDYTOWN)、Ace Hashimoto×5lackらが続く客演絡みの極めつけは“Boss Run DeM”。厳かなコーラス使いのKOJOEのオケに、AkaneとAwichが堂々たるラガ・フロウで渡り合う。起伏に富んだ構成に持ち前のスキルと幅をバランスよく溶かし込んだ一作だ。