デビュー直前にライヴ会場などで限定リリースされていたEPが本邦初登場。“Don't Know Why”などの別ヴァージョンも垂涎モノだが、やはり目玉は盟友ジェシー・ハリス製“Something Is Calling You”。カントリー味たっぷりのピアノ弾き語りで、初作に入らなかったことが不思議なくらい。一つ一つのメロディーを丁寧に歌っていくノラの姿が初々しく、原点回帰を掲げた最新作でのパフォーマンスと比べてみるのも一興

 


2001年末日だった。ギタリスト、ブランドン・ロスと、9.11の影響で閉鎖の決まったソーホーのスタジオで会った時、このスタジオでクレイグ・ストリートが制作した女の子のことが話題になった。当時、NYで会うミュージシャンがみんな噂をしていたのが、ノラ・ジョーンズであり、クレイグの音源のことだった。その後、新たに制作し直されて発売となったアリフ・マーディンのプロデュースによるデビュー・アルバム『Come Away With Me』がグラミーを獲り、クレイグのファースト・ミックスのことは、知る人ぞ知る業界伝説となった。このアルバム・デビュー前に制作された、21世紀NY発の伝説を神話化する音源が発売される。