多くのレパートリーを持つファジル・サイ。新作発売の度に一体どのような演奏を届けてくれるのか楽しみでならなかった。その想いは今回のアルバムで更に熱くなった。今までショパンの作品を録音していなかった事が不思議でならないが、ついに彼がその世界に足を踏み入れた。思わず心に抱いたのは、「数あるノクターンの録音に名盤がまた1つ誕生した」という気持ちであった。サイ独自の表現力とテンポ、強弱の三位一体が見事に合わさった演奏。煌びやかで透明感溢れる美しい響き。他のショパン作品の録音を熱望。同時発売の 『4つの街~チェロ・ソナタ集』も聴いて頂きたい。