プーさんが鬼籍に入り2年、重要作の再発は続き喜ばしい限りだが、超決定打登場! 幻のファースト・リーダー作として位置付けられる『マトリックス』初のCD化だ。ビクター・モダン・ジャズ・セクステットとして録音された本作は、沢田駿吾グループのメンバーと切れ味鋭い演奏を繰り広げる日本のジャズ黎明期の貴重な記録。代表作『ススト』やECM諸作など、常に時代を切り拓いてきたプーさんの若き衝動を浴びる。また《リトル・アビ》《黒いオルフェ》は遺作でも取り上げられ、その楽曲への思い入れを知る。聴き所はナベサダ提供、ハープシコードが痛快なファンキー・ナンバー、心躍らせて欲しい。