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2PAC Until The End Of Time Amaru/Death Row/Interscope(2001)

アマルとデス・ロウが手を組んだ95~96年の未発表音源集で、実に29曲入りの2枚組。アマル側のEDIと当時デス・ロウに移籍していたコールド187um(アバヴ・ザ・ロウ)が共同監修する格好で、オリジナル状態の録音と手を入れたトラックをさほど違和感なく共存させている。SKGと故レフト・アイをそれぞれ配した2ヴァージョンの“Let 'Em Have It”はLT・ハットンのプロデュースだ。

 

2PAC Better Days Amaru/Death Row/Interscope(2002)

引き続きアマル仕切りでデス・ロウ時代の未発表音源を素材にした作品で、またも2枚組の全27曲入り。ナズとのアコースティックな“Thugz Manshion”のようにパックのヴァース不足を客演で埋める側面も強まりつつ、トリック・ダディやT.I.、アンソニー・ハミルトンらが集った豪華な疑似共演はいい感じ。女性に向けたタイリースとの人気曲“Never Call U Bitch Again”もここに収録。

 

2PAC Tupac: Resurrection Interscope(2003)

各時代から満遍なく選曲された同名映画のサントラで、レッド・スパイダーによるミックステープ的な作りによる50セントとの疑似コラボ“The Realist Killaz”も含みつつ、エミネムがエクスクルーシヴの3曲を制作している。なかでもビギーとリアル共演した既発曲をエドガー・ウィンター使いで感傷的に仕上げた“Runnin'(Dying To Live)”の出来映えは、この後に繋がるものとなった。

 

2PAC Nu Mixx Klazzics Death Row/eOne(2003)

シュグ・ナイトの前線復帰を受けて失地回復を図っていた頃のデス・ロウが、自社の所有する既発音源だけを素材にしたリミックス・アルバム。ダレン・ヴェガスらがロウ・ヒッターズを名乗って全曲のトラックをシンプルに差し替え。冒頭の“2 Of Amerikaz Most Wanted”ではスヌープのパートを丸ごと削除し、当時の看板新人だったクルキッド・アイをメインに押し出してもいる。

 

2PAC Loyal To The Game Interscope(2004)

『Tupac: Resurrection』の成功を受けてエミネムが全権を任された一枚。表題曲の下地はトレッチとのシングルB面曲(94年)で、他は大半がビッグDと録った初期の録音を用いている。歌うように語り飛ばすパックが硬質なエミネム製ビートと力強く張り合い、当時のシェイディの勢いをそのまま反映してGユニットやダイドも登場。エルトン・ジョンをマッシュアップした“Ghetto Gospel”がヒット。

 

2PAC Pac's Life Amaru/Interscope(2006)

没後10年を飾った現時点での最新〈オリジナル・アルバム〉。デス・ロウ非関与ながら、ジョニーJやダズと録っていた『All Eyez On Me』期の音源をシャ・マネーXLやスウィズらが再構築し、旧知のキーシャ・コールとの“Playa Cardz Right”がヒット。LT・ハットンが4曲を手掛け、“Untouchable”にはジャマル・ウーラード(グレイヴィ名義)が客演するなど、今回の映画寄りのトピックも。

 

2PAC Beginnings -The Lost Tapes: 1988-1991 Amaru/eOne(2007)

権利関係の怪しいまま2000年に出ていた初期音源集がアマルから公式で出し直されたもの。ストリクトリー・ドープがチョップマスターJと制作していた89年のデモを中心に、フォース・ワン・ネットワークとの91年録音“Static”を2種類プラスしたパック最初期の音源集だ。威勢のいい“Panther Power”など、パブリック・エナミーの影響が色濃いトラックにおける未完成なフロウが初々しい。

 

2PAC Nu Mixx Klazzics Vol.2 (Evolution: Duets And Remixes) Death Row/eOne(2007)

引き続きデス・ロウ音源を再構築した『Nu-Mixx Klazzics』の第2弾なのだが、シュグ・ナイトもアフェニ・シャクールもクレジットにない不思議な一枚。ストリート・レディオ(ジミ・ケンドリックス他)やジェイク・ワンらがリミキサーに名を連ね、ドゥウェレの歌う“Staring Through My Rear View”、ブート・キャンプ・クリックを迎えた“Initiated”などが聴きモノ。