CMソングやTVアニメのテーマ・ソングに起用され、認知をますます拡げるamazarashi。そんな状況下でも、表題通りに彼の目線は中央ではなく地方に向いている。地方都市のささくれ立った空気や閉塞感、変わらない日常への諦めが充満するなか、そこに向き合うべき物語を見い出そうとする姿勢は、近年の日本映画の傑作「サウダーヂ」「ビジランテ」などとシンクロするものだ。社会への憤りと絶望、終末観を突き抜けた先に希望を見据えた前作に対して、ここでの彼はいつになく率直に自分の心情を故郷や過去に寄せている。性急で尖ったバンド・サウンドもありつつ、今回はピアノやストリングス、エレクトロニクスを用いたリリカルなミディアムが見られるのもそれゆえか。深化する世界観が凝縮された4作目。