サイケデリックR&Bのソングスターが2年半ぶりに放つ4作目。リック・ロスとの共演から始まる今作でもハッピー・ペレスやラファエル・サディークら馴染みの面々と組み、“Adorn”へのセルフ・アンサーとも言えるマーヴィン・ゲイ“Sexual Healing”マナーの“Pineapple Skies”などもあるが、プリンスやデヴィッド・ボウイの影響を匂わせつつギター・サウンドを主軸としたブルージーなファンク・ロックで前作にてコラボしたレニー・クラヴィッツに近づきつつあるのは興味深い。が、トラヴィス・スコットを迎えたトラップ調の“Sky Walker”、J・ディラ曲を引用してJ・コールとサラーム・レミと相見えた“Come Through And Chill”などでのポップな尖り具合は相変わらず。歌に込めるエモーションは過去最高だ。