際涯に、響く音

20年振りのソロはどっぷり濃ゆいブルース味

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  • 2014.06.11

"FAST" EDDIE CLARKEのソロ・アルバム『Make My Day - Back To The Blues』が去る4月にひっそりとリリースされました。案の定、全然話題になりません。あんまりにも寂しいからここに書いておくことにします。

EDDIE CLARKEがMOTORHEAD黄金トリオ時代の一角をなしたのはもはや30年以上前(1982年脱退)。リーダーバンドとして次に組んだ本格派ブルースハードロックFASTWAYも時代の波に抗えず徐々に産業ロック路線へとシフト、90年代の初めには活動を停止してしまいました。久し振りに演奏を再開し〈LOUD PARK 07〉で驚きの来日を果たしたものの、新譜のない状態でしたから旧曲の再演にとどまったステージの受けは大変地味なものでありました。うひょ~、FASTWAY最高!とかいってはしゃいでいたのは僕を含めて極少数だったと思われます。

しかし2011年、久々に発表されたFASTWAYのアルバム『Eat Dog Eat』は会心のブルースハードロックを聴かせてくれる好作で、これと一緒に来日していれば状況はもう少し違ったものに…はならなかったでしょうねぇ、やっぱり。

こんなにカッコイイのになー。

さて、そんなEDDIE CLARKEですが1994年(FASTWAY最初の崩壊後)に最初のソロ・アルバム『It Ain't Over Till It's Over』を発表しています。これがまた渋過ぎる内容で、当時PANTERAだのHELMETの音に打ちのめされていた僕はざっと流し聴いて終わりにしちゃいました。我ながら酷い話。

今聴くと全然イケるんですけどね。で、その『It Ain't Over Till It's Over』から20年、満を持して(?)発表されたのが『Make My Day - Back To The Blues』です。

いよいよギターの歪みすら排してしまいました…。しかも鍵盤を弾いているのBILL SHARPEということで、まさかSHAKATAKの人とEDDIE CLARKEが共演する日が来ようとは夢にも思いませんでしたな。でもこれが案外悪くなくて、というかかなり良いと思ってしまった僕。なんといってもEDDIE CLARKEの歌声が最初のソロの頃とは較べものにならない程サマになっていて、歌モノとしての完成度が高いのが実に良い感じです。

その一方で物凄くベタなインストゥルメンタルも。もう、こういうのがやりたくてやりたくて仕方がなかったのでしょう。ふり返ってみればこの人のギターはMOTORHEAD時代から紛うかたなきブルースでありました。ただ、極端に音がデカくて少しばかりテンポが速かっただけのことです。結局、この世代のミュージシャンていうのは遅れ早かれここに還っていくものなんですかね。

紆余曲折を経てクロスロードに辿り着いたEDDIE CLARKEは、きっと現在幸せなのだろうと思います。願わくばFASTWAYの方も続けていって欲しいですけれど。そして更にはLEMMYとも…いや、それは余りにも過ぎた欲望というものです。とにかく元気で、これからもギターを弾き続けてくれればそれで充分です。

【プロフィール】
ターこう

ターこう

音楽とはあまり関係ない仕事でご飯を食べています。本当は音楽を聴くこと以外なにもしたくないのですが…。守備範囲は主にメタルとプログレ…だと思うのですがそう言い切る自信がありません。邦洋/新旧を問わずその時気になって聴いている音楽について書き散らかします。巷間の認知があまり高くないものが多いかと思います。