約1年半ぶりの新作は、自身の人生に影響を及ぼした人たちに触れたという私小説的な内容。序盤からラップを決め込み、赤裸々にプライヴェートを曝け出す姿は共闘関係にあったカーディBにも通じているが、盟友リル・ロニーを中心に、DJキャンパーやロドニー・ジャーキンズらを制作陣に迎えてエモーショナルに歌い込む生一本なシンガーぶりで今回も聴き手の心を射抜く。多様な唱法を用い、ジェレマイやクリス・ブラウンとも共演して時代の空気を纏う現行感もさることながら、彼女の真価が表れるのは、ジェイ・Z“Song Cry”をモチーフにした“Make This Song Cry”をはじめ、“Crazy Like You”や“No Not You”といった直球のバラードを胸張り裂けんばかりに歌う姿。その歌はさらに深みを増している。