ユナの主宰レーベルから登場したクアラルンプールの2人組による処女作。ヴェイパーウェイヴ文化に感銘を受けたとのことで、変拍子を多用した複雑なリズムやグリッチ・ノイズ、何層にも重ねたギターや淡いシンセを細かく切り貼りしていくプロダクションが、インディー好きの耳を大いに刺激すること請け合いです。そうした実験的なオケもさることながら、このデュオの最大の魅力は何と言っても歌にあり。サッド・ガールぶりを丸出しした中低音域のヴォーカルは、エイミー・ワインハウスやラナ・デル・レイを比較対象に挙げたくなるほど。手拍子交じりのキラキラしたオケにアンニュイな声が乗った“Aneh”とか、センス良すぎてビックリしました。ユナのようにワールドワイドな成功を収める日も近そう。