ヴェトナムの血を引くフランスのビートメイカーで、アジアの民謡などをネタ使いしたシリーズでも支持されているオンラー。本作は時代を先取りしすぎた傑作『Long Distance』(2010年)の延長線上にある、キラキラとしたアーバン&シルキーなニュー・アルバムです。華やかな80sブラック・コンテンポラリーから初期ニュー・ジャック・スウィングに至るまでの、LAがビンビンだった時代に再現力の凄さでタイムスリップ。永井博による夜景ジャケも気分を盛り上げてくれますね。デイム・ファンクらモダン・ブギー系やブルーノ・マーズ以降の流れはもちろん、日本のAOR~シティー・ポップ・リヴァイヴァルの流れで聴いてもイイかも。ニュー・ジャック・スウィングの“No Question”あたりはまさにイマの気分。