その名を聞けば数多の名盤が思い起こされる、ケラス&タローの両名による待望のデュオ・アルバム新作。第1番は感情的になることに対する慎重さが感じられる演奏だが、ヴィブラートを抑えたチェロがピアノの澄んだ音色とよく調和し、不思議な軽やかさと、晩年のブラームスを思わせるような深い味わいを生んでいる。第2番はケラスならではの高音の美しさが存分に活かされた演奏で、のびのびと羽ばたくチェロを堪能できる。続いてケラス&タローの編曲によるハンガリー舞曲が6曲収録されているのだが、これがまた才気溢れる演奏で素晴らしい。方向性は異なるが、ソナタと同等の感銘を与えてくれる。