2009年に第4番を発売してから9年の月日が経過した。ついに、ズドビンがラフマニノフのピアノ協奏曲、全曲録音を達成した。オラモ&BBC交響楽団という強力タッグのもと見事な音楽を生み出している。第2番、3番、何れも共通して言えることは、長年の想いが凝縮されている魂のこもった熱き演奏。特に第2番の第1楽章の出だしから、一瞬にして虜となってしまう。力強く大胆不敵。独特な世界観。デビュー当時からその圧倒的な演奏で周囲を驚嘆させてきたが、今回の演奏で更なる高みに到達したと言っても過言ではない。10年後……20年後、再録の日が訪れる日を楽しみに待っていたい。