タイトルの『AUBE』は、フランス語で〈夜明け〉。自分にとっての夜明けにしたいという想いがありました

 

動画共有サイトへの投稿によって注目を集めるようになり、作品リリースとライブを重ねながら着々とファン層を広げてきたmajiko。最新ミニアルバム『AUBE』は、彼女の魅力が一際鮮やかに開花している作品だ。

「タイトルの『AUBE』は、フランス語で〈夜明け〉。自分にとっての夜明けにしたいという想いがありました。この3年くらいの間、つらいことが重なって、〈闇の時期〉と呼んでいるんです。でも、今はいろんな人が集まってくれていて、夜明けの始まりを感じています」

ホリエアツシ(ストレイテナー)、荒井岳史(the band apart)、H ZETT M、堀江晶太など、錚々たる布陣が楽曲を提供しているが、歌唱法は勿論、声質も変化させながら各々が表現されていることに驚かされる。ウィスパーボイスが切なさを滲ませる“AM”、ほのぼのとした歌声とラウドロック的なアグレッシヴさの間をスリリングに行き来する“ダーウィン先生の倦怠”など、曲毎に新鮮なmajikoの姿が浮かび上がる。そして、彼女がソングライター、アレンジャーとして新しい扉を開いているのも、今作の注目すべき点だろう。

「“Avenir”は、闇の時期から解放されて、最初に書いた曲でしたね。今回、自分の中で〈耳に残るキャッチーなもの〉というテーマがあって、そういう研究もしました。〈私にとってこれは明るいけど、みんなにとってこれは暗いんだ〉っていうもののすり合わせをしたくて。アレンジをした“声”は、その答えのひとつのような気がしています。前作の『CLOUD7』の頃からしていたアレンジの勉強の経験が活かせました」

歌詞をじっくり解釈するとなかなか恐ろしい内容の“スープの日”、透明感とエモーショナルさが自然に同居している“Learn to Fly”など、オススメしたいナンバーばかりだ。人間の声によって美しい世界を現出させる〈歌〉という表現の奥深さ、歌う喜びに満ち溢れているmajikoの眩しさを、ぜひあなたの耳と心で実際に感じてほしい。