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Suchmos FIRST CHOICE LAST STANCE F.C.L.S./ソニー(2017)

アシッド・ジャズに由来するアーバンでスタイリッシュなサウンドを90年代ミクスチャー・ロックの編成&センスで表現した6人組は、もはや言わずもがなの知名度を獲得するに至った。スタジアム・ロック的と形容できる豪快なタフネスとブルージーな渋さを兼ね備えているのも彼らの特筆すべき個性で、この最新シングルにもその稀有な均衡のありようが聴き取れる。 *澤田

 

RAMMELLS Authentic CROWN STONES(2017)

結成からわずか2年余りでメキメキと頭角を現してきた4人組の初フル・アルバム。ブラック・ミュージックの魅力をクールに醸し出す黒田秋子(ヴォーカル/キーボード)を中心に、内にある狂気や高いポテンシャルを感じさせながら、ポップにソウルフルにダンサブルに新たなスタンダードを提示する。ギターの真田徹はSuchmosのYONCEとOLD JOEで活動を共にしていた経歴も。 *田山

 

never young beach A GOOD TIME スピードスター(2017)

〈フジロック〉への出演などを経て、メジャーからのリリースとなった3作目。夏や海に映えまくるフォーキーで心地良いサイケ・ポップは健在ながら、斜に構えていたこれまでのスタンスは影を潜め、ストレートに〈歌〉を伝えようとする向きが表面化してきた。より貪欲にスケールアップ中の〈ヤシノキサウンズ〉。もちろん、トリプル・ギターのアンサンブルもたまりません! *田山

 

LUCKY TAPES Virtual Gravity RALLYE(2017)

ソウル・ミュージックをベースにした日本のインディー・バンドは数あれど、彼らが突出した存在感を放っているのは、ひとえに高橋海の非凡なソングライティングあってこそ。本シングルも煌びやかなディスコ・チューンからジャジー&メロウなナンバー、土臭いR&Bまでヴァリエーション豊かな楽曲を揃え、ポップ職人としての振り幅/丁寧に仕上げるスキルを涼しげに誇示。 *澤田

 

FIVE NEW OLD Too Much Is Never Enough トイズファクトリー(2018)

海外メインストリーム・ポップと比べても遜色なし! 英詞によるアーバンかつスタイリッシュな楽曲は広い層に愛され、ジャンルの垣根を軽く超える。そんな3人組が自然体で放ったメジャー初アルバムは、清々しいメロの根底にエモ~ポップ・パンクというルーツがあるのでシンガロングしやすい。踊Foot WorksやMONJOE(yahyel/DATS)とコラボした楽曲も。 *田山

 

sui sui duck FEEL トイズファクトリー(2018)

1975やウィークエンドなどを影響源とするミニマルなバンド・アンサンブル、ファルセットとオートチューンを用いたヴォーカル、さらにはメンバーにVJを含むクリエイター集団的な在り方によって、〈ニュー・スタンダード〉を体現する6人組。歪んだギターをフィーチャーしたエレクトロ・ポップ“sugar”に代表されるように、ライヴでは爆音のロック的なアプローチも見せる。 *金子

 

For Tracy Hyde he(r)art Pヴァイン(2017)

期待の新人として2017年の〈SPACE SHOWER NEW FORCE〉にも選出。過去にはラブリーサマーちゃんも在籍していた(現ヴォーカルはeureka)ネット世代のポップ・バンドは、〈都会〉をテーマにした2作目で、シューゲイズ色の強いドリーミーなロックからダブや渋谷系由来のギター・ポップなどを「ロスト・イン・トランスレーション」の美しいネオンサイン的に響かせている。  *田山