鹿児島が生んだマグマロック・バンド、テスラは泣かない。が突如リリースした活動10周年記念0円シングル。そう、0円。つまりタダ。表題曲“ダーウィン”は、駆け上るようなキーボードのリフが印象的な、疾走感あふれたテスラ節全開のマグマロック。そこに乗るヴォーカル/ギター・村上学の語りも叫びも含んだ歌声が、未来に〈私〉はどのような進化を遂げているのかと、あの進化論でおなじみのダーウィンに問いただす。ここで言う〈私〉とは、自分自身のことかもしれないし、活動10周年という転機を迎えたバンドのことかもしれない。事実、カップリングに収録された“Like a swallow”“アンダーソン”はそれぞれバンドの転機に発表された代表曲でもあるからだ。しかし、もしかしたら〈私〉というのは音楽そのもののことで、案じているのは音楽業界の未来なのかもしれない。CDがどんどん売れなくなってる中で、音楽業界は今後どんな進化を遂げていくのか? CDの価値はどうなっていくのか? パッケージに大きく書かれた〈¥0〉の文字が、そんな疑問すら思い起こさせてくれる。