2012年に活動を開始し、翌年の〈閃光ライオット〉で準グランプリを獲得した愛知発の男女混成バンドによる初のフル・アルバム。昨年発表した2枚のミニ・アルバムや自主盤からも数曲を収め、まさに〈初期の集大成〉となっている。YouTubeで150万再生超えの代表曲“またね”をはじめとした楽曲は、ポスト・ロック的な構築感と衝動を併せ持ったバンド・サウンド、端正なピアノやストリングス、さらには多用されるウィンドチャイムが組み合わさった、シネマティックなサウンドスケープが印象的。長屋晴子の繊細かつエモーショナルな存在感のある歌声も含め、School Food Punishment(本作には同バンドのプロデューサーであった江口亮がアレンジで、元メンバーの比田井修がサポート・ドラマーとして数曲に参加)や赤い公園の先に立つポップスの最新形と言っていいだろう。内省的な側面を多く忍ばせながら、灰色な社会の枠組に捉われることなく彩り豊かな人生を志向する歌詞も、若いリスナーを中心に共感を呼ぶはず。

 


2013年に〈閃光ライオット〉で準グランプリを獲得したことで注目を集めた愛知発、男女混合4ピースバンド。自主制作音源の制作や数々のイベント出演を経て、昨年2枚のミニアルバム『Nice To Meet You??』『ADORE』をリリース。後者はオリコンの週間インディーズアルバムランキングで3位になる。今作はセルフタイトルとなったバンド初のフルアルバム。時に力強く、時に切なく、様々な表情を歌声で見せる長屋晴子の手にかかってしまえば、何気ない日常が特別なものに思えてくる。そこに演奏陣(特にピアノの音色)が加わることでキラキラ感は倍増。そんな至極のポップス10編を収録。