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部室に置かれたキャンパス・ノートを覗き見しちゃいましょう!

THE JEFF BECK GROUP The Lost BBC Sessions 1967 ETERNAL GROOVES(2018)

 いつも騒々しいイツミ殿と雑色殿も、卒業したらしたで多少は淋しくなったりするのでしょうか。さて、残った我輩は最近のオススメCDでも報告しますかね。まずは第1期ジェフ・ベック・グループのライヴ・セッションをまとめた未発表音源集『The Lost BBC Sessions 1967』(ETERNAL GROOVES)から。ベック、ロッド・スチュワート、ロン・ウッドというメンツの凄さはもちろんのこと、型通りのブルース・ロックから脱却して〈ハード・ロック〉という次世代の扉を開きつつあった時期の、閃きと熱気と破天荒な勢いに溢れる演奏がとかく素晴らしい。意外すぎるバート・バカラックのカヴァーも収録され、まさに歴史的な発掘盤と言うべき一枚ですぞ。

 

RON WOOD,RONNIE LANE Mahoney's Last Stand Atlantic/Real Gone/BSMF(2018)

 さて、ロン・ウッドと言えば、フェイセズの盟友ロニー・レインとの共同名義で放った76年のサントラ盤『Mahoney's Last Stand』(Atlantic/Real Gone/BSMF)もリイシューされたばかり。映画本編がコケたために知る人ぞ知る作品ながら、ピート・タウンゼントやリック・グレッチ、ボビー・キーズらも参加した英国スワンプ/ルーツ・ロック大会の様相で、その筋がお好きならば必聴でしょう。

 

PALADIN Charge! Island/WASABI(1972)

 続いては英国のバンド、パラディンによる72年の2作目『Charge!』(Island/WASABI)。ロジャー・ディーンがジャケを手掛けているゆえに王道のプログレかと思いきや、仄かにプログレっぽさもありつつ、その実体は熱いギターやパーカッション、オルガンが闇雲に疾走するグルーヴィーなラテン・ロック盤。サンタナ愛好家の吾輩は震えましたよ。

 

THE BROTHERHOOD Stavia Rite/Out-Sider/ritmo calentito(2018)

 最後はオハイオのローカル・バンド、ブラザーフッドの自主制作盤『Stavia』(Rite/Out-Sider/ritmo calentito)。フルートやエレピが鳴り響いたグルーヴ感満点のファンク・ロック……という意味ではパラディンと共通していますが、こちらは熱さよりもメロウさが際立ち、フリー・ソウル的な視点から楽しむのも◎。72年リリースのオリジナル盤はたった200枚しかプレスされなかったメガレアな代物なので、実に喜ばしいCD化ですな。 *戸部小伝太