弱冠14歳でCDデビューした小林愛実が22歳となり、ワーナーのインターナショナル契約アーティストとして放つ第1弾。ショパンのソナタ第2番では、楽曲に真正面から対峙して、スケール大きく音楽を構築しながら、多彩なタッチの変化と柔軟なテクニックを駆使して、刻々と移り変わる情景を濃密に、かつ流れよく描き出してゆく。有名な《葬送行進曲》の楽章には、感傷に陥らない美への憧憬と格調の高さがある。リスト作品での珠玉のタッチ、間合いや行間の絶妙さも息を呑む美しさだ。例えばトラック6! この感動は単なるCD鑑賞を超えた、至高の芸術体験と言うべきだろう。