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現在の境地へと至ったフラテリスの旅の記録
ニューウェイヴィーな電気ロックが主流だった時代にシンセなしのガレージ・ロックで勝負し、全世界で200万枚の大ヒットとなった初作。心躍るキャッチーな楽曲だらけで、表題通りエルヴィス・コステロへの憧れが随所に表れている点も微笑ましい。
ギターとヴォーカル・パートがすっきりクリアに。パブで陽気に騒いでいるような前作の雰囲気を保ちつつ、よりメロディーの強度を高めて成長した姿をアピールしている。セルフ・プロデュースによって自分たちの演りたい音がキチンと整理された、という印象。
解散まで匂わせた無期限の活動休止を経てカムバック。古き良きロックンロールやブルースを自己流で掘り下げ、サックスを導入した“Helloween Blues”などで過去2作に希薄だった黒さが表出。ノリの良いアップを並べて、懐疑的な巷の声をはねのけた痛快作だ。
初作ぶりにトニー・ホッファーと組んだことでも話題を呼んだ4作目。十八番の陽気なロックンロールもあるけれど、カントリーやソウル風など曲調に幅を持たせている。総じて内省的なムードが漂い、ある種の風格のようなものも備わりはじめた一枚。