2018.04.02

インダストリアル・シーンそのものを創出し、後のノイズシーンを始めとするエレクトロニック・ミュージックに多大な影響を及ぼした伝説的ユニット、スロッビング・グリッスル。昨年にはデビュー40周年としてMUTEよりデビュー盤、名作サードなどがリイシューされ、改めて彼らの先鋭的なサウンドが注目されたが、この度創設メンバーであるクリス・カーターの17年振りとなるソロ・アルバムが発表された。シンセウェイヴ~ダーク・アンビエント~ドローン等、さまざまな時代の電子音楽のエッセンスが自在に配置されており〈音響の科学者〉との異名を持つクリス・カーターの面目躍如たる仕事を堪能できる。

 


デビュー作『The Second Annual Report』のリリース40周年を記念し、昨年からカタログのリイシューが続いているインダストリアル・ミュージックの開拓者、スロッビング・グリッスル。そんななか、バンドの中心人物であるクリス・カーターが実に17年ぶりのソロ・アルバムをリリースした。クリスいわく、本作は60年代の電子音楽に影響を受けたそうだ。確かに、ブルース・ハークやウェンディ・カルロスを彷彿とさせる(良い意味で)チージーなエレクトロニック・サウンドが至るところから聴こえてきて、偉大な先達の影がチラつく。また、キャッチーな側面も特筆すべきポイントで、4つ打ちのリズムが耳に残る“Tangerines”や、享楽的なエレクトロ・ビートが刻まれる“Nineteen 7”など、ダンサブルなナンバーも多数収録。とりわけ後者のプロダクションは、CPUレーベルを中心とした80年代のエレクトロ再評価の動きと図らずも共振しているようでおもしろい。

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