ついに紅白歌手になったパンク&フォーク・シンガー、1年ぶりの新作。音はアコギ+バンド・サウンドを中心に多彩化し、ファンクやレゲエに賑やかな管楽器を加えたり、新しい聴き手を迎える間口は広い。歌詞も前向きな応援歌が多く、“Amazing Grace”のカヴァーもユーモラスで愛らしい。しかし、〈ハングリーなままだ〉と叫ぶラストに置かれた朗読詩“狼煙”のおかげで後味はピリッと苦め。余裕は出たが、妥協はない。