こんにちは。ヴォーカルのtowanaです。突然ですが、月はお好きですか? 空に浮かぶあのお月さまです。個人的にお月さまというものが大好きで、澄んだ秋空に浮かぶいわゆる名月は言わずもがな、暖かい春の夜の朧月もずっと眺めていたいほど一年中空ばかり見上げているわたしです。ということで、今回は〈春の夜に聴きたい曲〉をメンバーにお勧めしてもらいました。

くるり ジョゼと虎と魚たち スピードスター(2003)

 kevinくんのお勧めはくるり“飴色の部屋”。出会いもあれば別れもある春という季節。〈別れ〉を歌っている寂しい歌詞だけれど、曲調は温かいという二面性が好きということでお勧めしてくれました。ギターと声に包まれる感じが何だか懐かしく、〈飴色の夕日〉という情景に切ない気持ちをさらに掻き立てられるようなギター・ロックです。サビまでと、サビと間奏とで拍子が変わっていくのもおもしろいです。

 

THE BAND Music From The Big Pink Capitol(1968)

 wagaさんのお勧めはザ・バンド“The Weight”。曲調は春っぽいわけではないけれど、歌詞が旅立ちの春にぴったりでは?ということなのですが、〈自由を手に入れろ〉――いい歌詞だ。Dメロのようなものがあるわけでもなく、平歌とサビの繰り返し。サビはすべて同じ、わかりやすく強いメッセージを歌うという洋楽っぽい感じ。サウンドはシンプルで……〈ローファイ〉と言って良いのだろうか? こういう感じ、とても好きです。声が重なっていく感じもすごく良いです。

 

小袋成彬 分離派の夏 エピック(2018)

 佐藤さんのお勧めは宇多田ヒカルさんをフィーチャーした小袋成彬“Lonely One”。恐らくこれは……今回のテーマと関係なさそうです。〈春の夜〉とかそういうことより、〈今この曲を聴け〉というリーダー自身の強いレコメンドでしょう。宇多田ヒカルさんのアルバム『Fantôme』で彼らが歌っている“ともだち”も、歌も歌詞もサウンドもすごくかっこ良くてよく聴いています。わたしはどういうわけか自分に近いと思ったり、強い共感や憧れを感じたりすると曲が音楽ではなく物語に聴こえてくるのですが、彼らの音楽はそのタイプです。(4月にリリースされる)『分離派の夏』、とても楽しみです。

 テーマから少し外れた話もしましたが、今回はサウンド面だけでなく歌詞にも着目してお勧めしてくれたメンバーが多かったのが珍しく、楽しかったな。遅くなりましたが、今年もよろしくお願いいたします。かっこいい音楽たくさん聴いて、わたしもいい歌たくさん歌おう。

 


towana
佐藤純一(FLEET)とs10rwのyuxuki waga、kevin mitsunaga(Leggysalad)という3人のサウンド・プロデューサーとのユニット、fhánaのヴォーカルを担当。かねてより告知されていた3枚目となるニュー・アルバム『World Atlas』(ランティス)がいよいよ3月28日にリリース(インタヴューもチェックを)! 5月からは北海道、愛知、大阪、東京の4都市を回るライヴ・ツアーも予定しています。その他の最新情報についてはオフィシャルサイト〈http://fhana.jp/〉にてご確認を!