配信限定だった主演TV映画サントラから1年半ぶりとなる新作。恩人ティム&ボブのティム・ケリーが旗振り役となるレーベルに属し、ティムと共同で完成させたアルバムの方向性は明確で、スヌープ・ドッグを招いたミディアム・スロウ“Lil' Bit”や“Beautiful Life”に代表されるように出世曲“Slow Down”のセンを狙った内容となっている。裏声を交えてトークボックスも用いた“Love Me Slow”やメロウな“Triple Threat”はティムのカラーが滲み出た極上のスロウ・ジャムで、甘く粘り気のあるボビーのテナーも真価を発揮。それでも過去の再生には終わらず、ライトなブギー・ディスコ“Save Us”やトラップ時代に対応した“Thrilla”など挑戦も忘れていない。ゼロ年代回顧と進化が絶妙に交錯した好盤だ。