カマシ・ワシントン周辺、つまりウェスト・コースト・ゲット・ダウンのメンバーにして、カマシ曰く「地球上で最もソウルフルなトロンボーン・プレイヤー」がたった半年で2作目をドロップ。コンセプチュアルかつコンパクトだった前作に対し、2枚組のヴォリュームで冒頭からエネルギーを放出する様は痛快。というか録音自体10年程前のものらしく真の初作と位置付けて良いだろう。WCGDのソロ作の中では最も高いファンクネスを備え、かつ、その抜けの良さは最も西海岸らしくある。あらゆるジャズ・トロンボーン奏者の血を受け継ぎつつも、最も濃いのはフレッド・ウェズレイなのではと思わせる程だ。

 


カマシ・ワシントンが全幅の信頼を寄せるトロンボーン奏者、ライアン・ポーターの新作が早くも到着。子どもの歌をアレンジした企画盤の体裁だった前作に対し、今作はオリジナルを含む2枚組100分に及ぶ本領発揮のジャズ・アルバム。もちろんカマシも全曲参加。終盤にはハバード~コルトレーン~アダレイといった巨人たちの楽曲を次々とカヴァーし、強烈なインパクトを残して幕を降ろします。