カウンターというか、抜け出して次のことをやろうとしている人が好き
――それにしても、今回のEPは『Colors & Scale』でめざしたソウル・パンク的なサウンドを基調にしつつ、さっき話してくれたノーウェイヴや現行のヒップホップ、ラテンなどの要素を採り入れ、ますますジャンル不明な音楽になっている。KONCOSというオリジナリティーはいっそう太くなったように思います。
「それはめちゃくちゃ嬉しいですね。確かに、〈どういう音楽やってんの?〉と訊かれたときに、常日頃から答えに困るなとは思っていて（笑）。だから、聴いてもらうか観てもらうしかないんですよね。聴いたことないものや新しいもの……新しいかはわからないんですけど、KONCOSじゃないとありえないものではありたいと思っています。自分の活動として〈あーはいはい、またこれね〉っていうのはあんまり好きじゃなくて。僕らは落ち着きがないのかもしれない。僕らというか太一が、かな」
――もしかしたら、そこが2人のいちばんの共通点なのかもしれませんね。ルーティンを良しとしないという。
「それはそれで良いんですけどね。僕らがたぶんそのスタイルにハマらないってだけだと思う。逆に僕らにとっては、新しいことを見るとか提示することがルーティンかもしれない」
――EPに収録した“Fantastic”でも〈永遠とダンス／カウンター的な／永遠とダンス／簡単な美学〉と歌われていますが、やっぱりカウンターでありたいという気持ちは強い?
「常にそうですね。なんだろうな……あまりこう流行っているものとか、みんなが良いというものを、そりゃ良いものは良いんですけど、僕はあまり乗っかれないんですよ。それだったら、次のおもしろいものを見ようよと思ってしまう。それは昔からですね。バンドにおいても何においても、そういうカウンター的なことというか、抜け出して次のことをやろうとしている人が好きですし」
――たとえば、誰が思い浮かびますか?
「僕らの周りは多いと思います。一緒にやっているバンドは〈やってやるぞ〉って思っている人が多い。あとは……下北沢のTHREEじゃないですかね? （店長の）スガナミさんとかもうカウンターでしかないですよね。めちゃくちゃおもしろいなと思います。そこに集まってきている人も、その考えに共感して集まっているし」
余計な混ざりものがない、純粋なバンド
――思い出すと、KONCOSの初期もカウンターだったじゃないですか? 前身バンドでは瑞々しいギター・ポップをやっていたメンバーの2人が、“目黒川と阿武隈川と札内川との関係性”というポスト・クラシカルな楽曲をいきなり発表するという。しかもドラマーだった太一さんはピアニストになっていて（笑）。尖っているなと思いました。
「だと思うんですけどね（笑）。そう捉えてくれていたのであれば良かった。確か最初のリリースはカセットだったと思うんです。しかも歌なしのインストで」
――最初の“目黒川と阿武隈川と札内川との関係性”から、ローカルな場所が実は共鳴して繋がっていて……という、いまもKONCOSが提示し続けている哲学は、スタート時より一貫しているようにも思うんです。その価値観はどこからきたものなんですか?
「KONCOSをはじめたときは、そこまで意識してはなかったと思います。ただ、歌詞を日本語で書くとは決めていて、自分の言葉で嘘がなくリアルに書けるものはなんだろうと考えたときに、最初の『ピアノフォルテ』というアルバムでは地元の帯広をテーマに歌詞を書いた。そこから47都道府県を廻るツアーをして、セカンドの『街十色』では、いろんな土地で見てきたものを書いた。基本的に自分が感じたことを嘘なく書こうと思っているんです」
――そして、いまはライヴハウスの風景を歌っていると。
「自然とこう……音源を作って、ツアーを廻って、そこで見てきたものを落とし込むという流れになっていますね」
――大衆や時代の空気といった大きな枠組みに回収されない個人的な視点＝カウンターでもあると思うんです。だから、KONCOSはパーソナルな体験をダイレクトに作品へと還元するという、すごくシンプルな営みを続けているバンドとも言えますね。
「そう言われると、すごく健全なバンドですね（笑）。つくづく余計な混ざりものがない、純粋なバンドだとは思います」
Live Information
〈Mikiki Pit Vol. 3〉
日時／会場：2018年4月21日（土） 東京・下北沢Basement Bar ※フロアライヴ
出演：KONCOS／Bullsxxt／JABBA DA FOOTBALL CLUB／Ms. Machine
開場／開演：11:00／11:30（予定）
終演：14:10頃（予定）
料金：前売り1,000円 ※80名限定
>>チケットのご予約は ticket@toos.co.jp まで
KONCOS | The Starry Night EP Release Party
Sun 08 Apr 2018 at LIQUIDROOM | Ebisu Tokyo
Sat 14 Apr 2018 at BIRDLAND | Sendai Miyagi
Sun 15 Apr 2018 at CLUB CHANGE | Morioka Iwate
Fri 20 Apr 2018 at GOLDEN PIGS BLACK STAGE | Niigata
Sun 21 Apr 2018 at LIGHT HOUSE | Mito Ibaraki
Fri 11 May 2018 at HUCK FINN | Nagoya Aichi
Sat 12 May 2018 at FANDANGO | Juso Osaka
Fri 18 May 2018 at NAVARO | Kumamoto
Sat 19 May 2018 at WALK INN FES! 2018 | Kagoshima
Sun 20 May 2018 at UTERO | Fukuoka
Sun 27 May 2018 at SHELTER | Shimokitazawa Tokyo
Sat 02 Jun 2018 at Studio Rest | Obihiro Hokkaido
Sun 03 Jun 2018 at KLUB COUNTER ACTION | Sapporo Hokkaido
Fri 08 Jun 2018 at GREVO | Akita
Sat 09 Jun 2018 at DO IT 2018 | Sakata Yamagata
Sun 10 Jun 2018 at HEAVEN’S ROCK | Utsunomiya Tochigi
to be continued…
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