日本でも公開の日が迫ってきたアカデミー賞最有力の呼び声高い映画「君の名前で僕を呼んで」。そのサウンドトラックにはまだ見ぬ物語を想起するには十分の楽曲が収録されている。映画の舞台となるイタリアのポップスはもちろん、凛として清らかなクラシック、80年代のヒット・ソングたち、起伏に富んだ曲で刺激をもたらす坂本龍一まで実に様々。そんな色彩の豊かな本作において最も耳を惹かれるのは、書下ろし2曲とリミックス音源を提供したスフィアン・スティーヴンスだ。特に主人公の心象を映し出したようなリリカルでセンチメンタルなメロディに、儚い歌声を乗せた“Mystery Of Love”は感涙もの。