ブリスベン郊外に生まれ、現在はロンドンで活動する幼馴染みの男女ドリーム・ポップ・デュオがデビュー作を完成。ビートルズやボブ・ディラン、60sのモータウン作品など元ネタが即座に浮かんでくるようなメロディーを、広がりのあるギターの音響美で更新していく姿はマジー・スターやビーチ・ハウス直系で、物憂げな歌声もその魅力を倍増させている。とはいえ、このユニットの一番の持ち味は、男女の声が何層にも重なった分厚いコーラスの妙。また、実体験から着想を得たという“Drink Too Much”など、やや映画的でムーディーな空気感も特徴だ。タイトルの『Great Big Blue』は、制作中の3年間にスウェーデン、ドイツ、オーストラリアを転住した彼女たちが、初のアルバム作りに興奮しながら飛行機から見た海の景色を投影したものだとか。ラナ・デル・レイやシガレッツ・アフター・セックスほか、昨今の耽美なポップスに目がない方へオススメしたい。