大人気シリーズの三作目にしてラスト作。見事な〈サーガ〉でありながら、作品ごとにテイストの違う映画になっている点にまずは驚かされる。前作『ビヨンド』では、ヤクザ同士の権力椅子取りゲームを、俗世に欲のないビートたけしのほとんど“死者”といっていいような視点で語られていたが、本作は“死者”の世界からケジメを付けるためたけしが俗世に帰ってくるお話である。権力椅子取りゲームの実質主役である西田敏行、塩見三省の顔力を楽しみつつ、ガチの“素人”である金田時男の迫力に痺れたい。