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DISCOGRAPHIC KYLIE MINOGUE
カイリーを知るための13枚 
  

KYLIE MINOGUE Kylie PWL(1988)

ユーロビートの代表盤にして、彼女の記念すべきデビュー作だ。リトル・エヴァ“The Loco-Motion”のカヴァーなど、オーストラリア娘らしい野暮ったさ(褒め言葉)はこの時期でしか味わえないもの。80s風の音が重宝されているいまこそ、PWL印のクリアなデジタル・ビートも改めてジャストに響くだろう。 *北爪

 

KYLIE MINOGUE Enjoy Yourself PWL(1989)

初作のヒットを受けて引き続きアルバムの前半は直球のハイエナジー・ポップで畳み掛け、後半ではオーケストラルなスロウ“Tell Tale Signs”やオールディーズ調にも挑戦。絶好調のストック・エイトキン・ウォーターマンによる作風の広がりと、シンガーとしての無理のない主役の成長ぶりが楽しめる。 *青木

 

KYLIE MINOGUE Rhythm Of Love PWL(1990)

マドンナ“Vogue”やスナップ!“The Power”などセクシーな曲が人気を集めるなか、PWL軍団に加えてUSからもステファン・ブレイらを制作陣に引き入れたこの3作目で脱・清純派宣言。BTエクスプレス使いの“Step Back In Time”ほか、跳ねたビートでソウル~ファンクをオマージュしたアップが良い。 *青木

 

KYLIE MINOGUE Let's Get To It PWL(1991)

PWL最終作はエイトキンが抜けた体制での録音。ニュー・ジャック・スウィングな冒頭曲、ソルト・ン・ペパと2アンリミテッドを引用した“I Guess I Like It Like That”を筆頭に、ハウス/R&B色を強め、リミキサーにブラザーズ・イン・リズムを抜擢するなどディコンストラクション期の布石とも取れそうな内容だ。 *青木

 

KYLIE MINOGUE Hits+ Deconstruction/Arista(2000)

ディコンストラクション在籍時の音源集。ブラザーズ・イン・リズムによるハウス・トラック、マニック・ストリート・プリーチャーズのジェイムズが手掛けたギター・ロック、デイヴ・ボール(ソフト・セル)製のスニーカー・ピンプス風なダウンテンポなどなど、サブカル系の音楽好きからも支持を獲得。 *青木

 

KYLIE MINOGUE Light Years Parlophone(2000)

前年のペット・ショップ・ボーイズとのコラボが呼び水になり、わかりやすく楽しいダンス・ポップへと回帰。“Spinning Around”をはじめ、ハイエナジーやラテンのエキスも注いだディスコに軸を置いてチャート上でも好成績を残している。奇しくも同年、マドンナも派手に電化した『Music』を発表。 *青木

 

KYLIE MINOGUE Fever Parlophone(2001)

『Light Years』の余勢を駆って登場したこの8作目で、さらなる成功を収めることとなるカイリー。同年のダフト・パンク『Discovery』に通じるフィルター・ハウス的なサウンドを展開しているのが抜け目ない。ニュー・オーダーを更新したような特大ヒット曲“Can't Get You Out Of My Head”はここに収録。 *北爪

 

KYLIE MINOGUE Body Language Parlophone(2003)

DJヘル主宰のジゴロを中心にエレクトロクラッシュがブームになったのは2002年。で、それに前後した本作で時流を果敢に採り入れつつ、自身の原点である80sのエレポップ風味もハイブリッドし、軽やかに時代を一巡させたセンスはどうだ! グリーン・ガーサイドを招いているのも流石。 *北爪

 

KYLIE MINOGUE X Parlophone(2007)

ジャスティスやボーイズ・ノイズがブレイクしたこの年、カイリーもエレクトロへと踏み込むことに。カルヴィン・ハリス、ブラッドシャイ&アヴァント、フリーメイソンズら気鋭のクリエイターを集め、ガン克服を強烈に印象付けるかの如く、洗練性よりもパワフルさを優先させたロッキンな歌唱で聴き手を圧倒。 *青木

 

KYLIE MINOGUE Aphrodite Parlophone(2010)

スチュワート・プライスの総指揮による本作は、カルヴィン・ハリスやセバスチャン・イングロッソ製のEDM路線と、キーンのティムらが提供した美しいバラードを同居させた振り幅の広い一枚。尖っていた『X』とは対照的に、作品全体のバランスよりも曲の粒立ちで聴かせるベスト盤のような作りが楽しい。 *北爪

 

KYLIE MINOGUE The Abbey Road Sessions Parlophone(2012)

このキャリア初となるセルフ・カヴァー集は生楽器主体のサウンドで構成され、さながらカイリー版〈Unplugged〉といった趣。当然ながらどれも原曲とは大きく様相を変え、ジャジーな仕上がりだ。常に流行と対峙してきた彼女が、あえて時流を意識せずに歌い手としての自身と向き合った意欲作。実に良い。 *北爪

 

KYLIE MINOGUE Kiss Me Once Parlophone/ワーナー(2014)

ダブステップあり王道バラードありの本作では、ファレル製のファンキーなディスコ“I Was Gonna Cancel”や、アデル的なスケール感で迫る“Kiss Me Once”(同郷のシーアが作曲!)など、80sフィールとテン年代のポップスがスムースに交配。エンリケ・イグレシアスとの色っぽいデュエットも大きな話題に。 *青木

 

KYLIE MINOGUE Kylie Christmas Parlophone/ワーナー(2015)

初のクリスマス盤。フランク・シナトラとの擬似共演曲を含むスタンダード群は、『The Abbey Road Sessions』の延長線上にあるシックでドレッシーな仕上がり。一方、イギー・ポップと披露したウェイトレセスのカヴァーや、妹ダニーとのダンス・ポップではホーム・パーティーのようなリラックスした表情も。 *北爪

 

ORIGINAL ALBUM
Kylie Minogue(1994)
Impossible Princess(1998)
Golden(2018)

LIVE ALBUM
Intimate And Live(1998)
KylieFever2002(2002)
Showgirl: Homecoming Live(2007)
Live In New York(2009)
Aphrodite Les Folies: Live In London(2011)
Kiss Me Once Live At The SSE Hydro(2015)

COMPILATION
Kylie's Remixes
Boom Box
Essential Mixes
Kylie: Greatest Hits 87-97
Kylie: Greatest Hits 87-99
Ultimate Kylie
Kylie Hits
12" Masters Essential Mixes: Kylie Minogue
The Best Of Kylie Minogue ...and more!