〈だって好きなんだもん!〉という見事な開き直りっぷりでブリット・ポップ愛をさらけ出し、UKロック好きの度肝を抜いたシドニーの3人組。〈ギャラガー・ベイビー〉と評された通り、オアシス臭がプンプンに漂っていたデビュー盤から2年ぶりとなるこのアルバムは、イントロが鳴った瞬間に〈まんまストーン・ローゼズじゃん!〉と即ツッコミたくなる“For Now”で開幕だ。ほかにも、同郷のキム・モイーズ(プリセッツ)を共同プロデューサーに迎えた影響か、随所でサイケデリックなギター・サウンドやデジタル音を用いていて、オアシスが3作目『Be Here Now』で見せた変化を律儀に真似ているような印象を受ける。で、その『Be Here Now』に欠けていたシンガロング必至の壮大な美麗バラードをラストに持ってくるあたりも、心の広いオアシス・ファンから高く評価されるはず。リスナーの求める音と自分たちのやりたい音が完全に一致した、素晴らしい一枚です。