ナチュラルでいながらも計算し尽くされた緻密な録音。管楽器と声のアンサンブルを中心に、息のかすれ、弦の振動など、その場に存在する全ての〈音〉をはっきりと聴き分けることが出来るクリアなサウンドで、温かくて優しいメロディが心地よく響いてくる。目を閉じてじっくりと耳を傾けると、眼前に広がるのはどこか懐かしくも寂しいふるさとの風景。〈管楽器〉〈声〉〈ピアノ〉という特殊な編成にもかからわず、驚くほどの耳馴染みの良さ。緊張と安心、繊細なのにおおらか、そんな相反する要素を全て包み込んでくれるかのような不思議な魅力を持った音楽だ。