ポリスの再結成を境に若返りを見せていたスティングがここでレゲエ作品を出すのも何だか意義深く、シャギー側から見ても“Oh Carolina”“Angel”などを手掛けたショーン・ピッツォーニアのプロデュースとなればやはり特別感があり、きっとこの共演盤は双方のファンから好意的に受け入れられるはず。『Exodus』期のウェイラーズを意識したと思しき“Night Shift”ほか、ロビー・シェイクスピアやモーガン・ヘリテイジらが支えた演奏は当然の如く本格派。で、そこにシャギーののっぺりしたDJが割り入ってくると、どうしてもスティングの存在は薄くなりがち……なのに、彼の白い歌声がアルバム全体に知性と洗練性を与え、最終的にはスティングらしく聴こえるという不思議な仕上がりです。なかでも注目は、名曲“Englishman In New York”のサックスをトロンボーンに置き換えたような “Sad Trombone”。都会の侘しさや虚しさをレゲエのリズムに乗せて表現させたら、いまもこの男の右に出る者はいません!