結成10周年! 進化しつづける3人による渾身の10作目『X』

TSUKEMEN X キング(2018)

 結成10周年を迎えるTSUKEMENが、記念すべき10枚目のアルバムをリリースした。その名も『X(テン)』。前作からの〈全曲メンバー作曲作品〉というコンセプトに加え、メンバー同士の持ち味をぶつけ合った共作やライヴでのかけあいを想定した楽曲など、次なるステージへの進化を感じさせる意欲作だ。冒頭から“WINNING RUN”という、これまでの10年を感じさせる楽曲ではじまる。「自分への勝利宣言――ではありますが、個人的な感情というよりJ:COM系列『平昌オリンピック2018』中継番組のテーマソングのために作曲しました。冒頭の3曲は、“雨ノチ晴レ。”て、“虹を見上げて”、“WINNING RUN”という物語のようになったのがおもしろいなと。2年前の“J Beat!”同様、バンドも入った疾走感のある曲調です」(TAIRIKU)

 4曲目には、映画主題歌にも決定した“Volcano”。火山や噴火口、そして抑えきれない思いを表すタイトルのとおり、これまでのさわやか路線とは一線を画す、大人の1曲に仕上がった。「TAIRIKUと僕の共作ということで、弦ならではの音の重なりを意識しました。じつは最近、TAIRIKUはヴァイオリンをヴィオラに持ち替えることが多い。ヴィオラの音が入るとハーモニーに深みが出るので、重音を多用したり、カッティング奏法も用いてチャレンジしました」(KENTA)

 5曲目の“YUZARI”もまた、ガラッと印象を変えて迫ってくる。「〈夕去り〉という美しい言葉があるのですが、そこに切なさだけじゃない、〈まだ終わらせないぜ!〉という思いを加えたかったんです。クラシカルな出だしは、ライヴでなにかおもしろい演出ができないかな、という狙いだったりします」(SUGURU)

 つづく“Shine!”やTAIRIKUとSUGURUの“KYOSAKU”(共作)、そしてコーラスが印象的な“世界で一番遠い君へ”といった楽曲についても、「ライヴではもっとテンポを上げて」「ライヴで皆さんと一緒に完成させる」というコメントが飛び出し印象的だった。

 前作で目標に掲げていた、新しいライヴ活動への取り組みが、しっかり具体化している。「CDの楽曲はすき焼きの麩のようなもの。真っ白な麩に、これからはじまる全国ツアーでの進化がしみ込んで、しみ込んで……最後はどんな味になるのか楽しみです」(TAIRIKU)「10年はあっという間でした。今後20年、30年続けていくとしたら、きっとまだ10年。これからも、出会いや記憶を音にしていきたいですね」(SUGURU)「『X』では、自分なりのダンディを表現してみた曲もあります。ここからは挑戦でなく、進化のスタートだと思っています」(KENTA)

 TSUKEMENの進撃は止まらない。

 


LIVE INFORMATION

TSUKEMEN LIVE 2018
○5月26日(土) 15:00開演 福井・ハーモニーホールふくい 小ホール
○5月27日(日) 14:00開演 石川・北國新聞赤羽ホール
○6月2日(土) 15:00開演 千葉・青葉の森公園芸術文化ホール
○6月3日(日) 15:00開演 埼玉・和光市民文化センター サンアゼリア 大ホール
○6月30日(土) 14:00開演 東京・東京オペラシティコンサートホール
○7月7日(土) 17:00開演 長野・松代文化ホール
○7月8日(日) 14:00開演 長野・松代文化ホール
○7月14日(土) 15:00開演 愛知・日本特殊陶業市民会館中ホール
○7月15日(日) 15:00開演 宮城・日立システムズホール仙台コンサートホール
○7月29日(日) 15:00開演 兵庫・神戸新聞松方ホール

www.tsukemen3.jp