オーストラリア出身、NYを拠点にするピアニスト。ゲイリー・バーツのバンドへの参加や、グルーヴ・コレクティヴのメンバーなど幅広く活動し、カート・ローゼンウィンケルとも交流が深い。本作はそんな幅広さを象徴する作品で、ローゼンウィンケルやケニー・ギャレット、メルドーなどに通じるコンテンポラリー感と、ダニウェル・メリウェザーをゲストに迎えたことで演出されるスモーキーで抒情的なソウル、そしてティグランの様に映像喚起力の強い詩情も兼ね備え、電子音も飛び交うなど攻めの姿勢と美しさが交錯する。ここまで色々取り入れて散らかった印象を与えないプロデュース能力は伊達じゃない。