結成30年の時を経て、第6期メンバーによる待望の新作がここに!

 日本を代表するパーカショニスト、斉藤ノヴ率いるインストゥルメンタル・バンド〈NOBU CAINE〉が蘇った。なんと18年振りにニュー・アルバムを完成させたのだ。オリジナル・メンバーの青木智仁(ベース)が他界したことで活動はストップしていたが、約2年前、重実徹(キーボード)、福原将宣(ギター)とのセッション中、斉藤の気持ちが再始動へと傾く。3人全員が注目していたベーシストが川崎哲平だったからだ。コア・メンバーの村上“ポンタ”秀一(ドラムス)も復活に大賛成。川崎の他に新メンバーとして山内陽一朗(ドラムス)、宮崎裕介(キーボード)にも声を掛け、第6期〈NOBU CAINE〉の役者が揃う。

 「リハーサル日はありましたが、ポンタはスケジュールの都合で欠席、哲平はインフルエンザ、俺は腕を怪我していたからほぼミーティングのみ。本番も2~3テイクが基本でしたね。もちろん、テンションは上がりましたよ。だってみんな上手いもん。だからといってここで何かをやろうといった変な欲もなく物凄くナチュラル。だから全部がクリアだし、俺とポンタは遊べるし(笑)。このバンドは特別ですね」

 強烈なリズム&グルーヴ、感情を揺さ振る個々のプレイ、絵がクッキリと見えるアンサンブルと音作り、そして特筆したいのがメロディ・パワーだ。インストだがそこに歌がある。

 「俺たち、歌が好きだからシンガーがいるような感じで力強さや優しさ、季節感を表現したいんですよ」

NOBU CAINE 今ここにあるべき百戦錬磨~7人~  ELECTRIC BIRD/キング(2018)

 斉藤がパーソナリティを務めている『Sound Cafe』(α-STATION)のテーマ曲に使用した“ミッドナイト・サーカス”を含む4曲は重実のオリジナル、2曲は福原、宮崎と斉藤は1曲ずつ楽曲を提供。サウンドとしてのストーリーを熟考した曲順で構成しているからこそアルバム一枚を通して聴いて欲しいと熱く語る。

 「若い息吹が入って凄く面白くなりましたよ。光を持った原石はアプローチが違いますからね!」

 ライヴは現在調整中だ。

 「俺たちはライヴ・バンドだしパフォーマンス集団。だからオタッキーではないんです。ショー・アップした格好いいステージをお届しますので、それまでは新作を聴いて予習しておいてください!」

 歯科用の局部麻酔〈ノボケイン〉からヒントを得て、音楽で痺れさせたいと名付けた〈NOBU CAINE〉は角松敏生インスト・ツアーに参加した面々が〈斉藤ノヴ・セッション〉の開催を機にスタート。六本木ピットインのあの日から30年、核心を変えずに進化したバンドの音をひと言で表すなら、アートワークをプロデュースした夏木マリ命名のアルバム・タイトル『今ここにあるべき百戦錬磨~7人~』、まさにそれだ。