『そして父になる』の是枝裕和監督と福山雅治が再びタッグを組み、是枝監督のオリジナル脚本で描いた法廷ドラマ。大部分は会話劇であり、是枝映画の中でも“地味”な作品ではあるが、何を考えているか分からない殺人容疑者役の役所広司を筆頭にキャスティングの妙と、それに応える役者たちの抑制を利かした是枝演出が見事に合致した作品。7回もある接見室シーンが、撮影の変化させることで平板になることなくサスペンスを持続させていく様は演出の“教科書”! その一方で、“教科書”にはない是枝の広瀬すずへのフェティシズム! 画面に滲み出すぎていて最高!