清水靖晃と言えば近年バッハの無伴奏チェロ組曲やゴルトベルク変奏曲を独自解釈した作品でも有名な、日本を代表するサキソフォン奏者であるが、映画を始めとする数多くの劇伴の仕事でも素晴らしい作品を残してきている。本作は80年代に清水が残したCM音楽を集大成したアルバムで、リマスター、リイシューされたもの。シンセサイザーやサンプラーなど、当時最先端の機材を用いてミニマル~アンビエント~ニューエイジ的なアプローチにより作られた小品の数々は、80年代の意匠の中でその革新性が光っている。その唯一無二の創作にはワンオートリックス・ポイント・ネヴァーも賞賛を寄せている。