小学生の頃にビートルズを聴いて開眼し、〈演奏ごっこ〉に興じていたヤンチャな10代を経て、洋楽への憧れとJ-Popとしてスッと耳に馴染むキャッチーさをみずからが放つ言葉とメロディーに映し出してきたシンガー・ソングライター笹木ヘンドリクス。メジャー・デビュー・シングルとなる“星のかけら”は、まさに〈ここから始まる〉感が漲る晴々としたギター・サウンドと力強い旋律で心を掴む楽曲だ。

笹木ヘンドリクス 星のかけら Colourful(2014)

  「メロディーは王道というか、歌謡曲のように日本語のニュアンスに沿ったものを自分なりのロック・サウンドで表現しようと。ヒップホップであるとか最近のアイドルみたいに、言葉がメロディーを持っていなくても伝えられる方法っていうのがあって、そういったものも大好きなんですけど、自分がやるとなった場合はそうじゃないほうが、投げるボールとしてはおもしろいかなって。最近、松山千春さんの“君を忘れない”っていう曲がつくづく最高だなって思っていて、こんなふうに言葉とメロディーをしっかりと噛み合わせることができる人になりたいなって常に思ってるんですけど、“星のかけら”ではそれができたと思います」。

 笹木ヘンドリクスの編んでいく言葉とメロディーには、それがどんなに激しいロック・アレンジであっても、聴き手に寄り添う〈優しさ〉がある。それはメジャーの舞台において、観衆を魅了する決め球になることだろう。

  「最近のJ-Popには〈優しさ〉が足りないなって思うことがあるんです。そういうなかで、このあいだThe Birthdayの“くそったれの世界”を聴いて、すごく歌詞が優しいなって思ったんですね。僕がいま作っている曲にも〈優しさ〉っていうキーワードが含まれているんですけど、〈ありがとう〉って歌っているわけではなくて、愛情って言うほどこってりしてないもの、もうちょっと柔らかくてふわっとしたもの、単純な温かさとは違う優しさを伝えたいなと思ってるんです。少しだけスレてるみんなの心に寄り添っていける優しさっていうか、チバユウスケさんの歌詞がまさにそうだと思ったし、そう考えて聴くとレディオヘッドの“No Surprises”なんかもすごく優しいなって思ったりするんですよね。そのへんは自分がメジャーで歌っていくうえでのテーマとして、聴いてくれる人に対しての感謝はもちろんなんですけど、覚悟を持って優しく接していきたいと思いますね」。

 

【お知らせ】笹木ヘンドリクスがタワーレコードの梅田NU茶屋町店、名古屋パルコ店でインストア・ライヴを開催! 詳細はオフィシャルサイト〈http://www.sasaki-hendrix.com〉へ!

 

▼関連作品

左から、笹木ヘンドリクスの2013年のタワーレコード限定ミニ・アルバム『GOLD ANTHEM』(DGエージェント)、松山千春の96年作『TOUR』(コロムビア)、The Birthdayのニュー・アルバム『COME TOGETHER』(ユニバーサル)、レディオヘッドの97年作『OK Computer』(Parlophone)
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