前作でガレージ・ロックからフリーキーなサイケ・サウンドに変貌を遂げたデュオが、この3作目ではその延長線上でさらにディープかつダークな音世界を創造。ミニマルなドローン・サイケやアシッド・フォークをはじめ、多彩な全8曲のなかで反復と轟音の可能性を押し広げている。トライバルなビートと呪術的な歌が往年のポジティヴ・パンクを彷彿とさせる“再放送”、歌メロが日本の民謡っぽい“流氷”、異形のブギー“Masturbation”などユニークな曲が並んでいるが、とりわけ圧巻なのが10分超えの“元旦”。転調を重ねながら執拗に繰り返されるピアノとドラムスが、聴き手の精神を追い込む。人を喰ったような日本語詞も彼らならでは。BO NINGEN、幾何学模様に続くのはこの2人組だ。