2012年の設立以来、ジャズをベースとする多種多様な作品をリリースしてきたPlaywright。このレーベルが今回送り出すのが、2017年に結成されたばかりの新人バンド、The SKAMOTTSだ。ただし、メンバーはリーダーを務める岡村トモ子(たをやめオルケスタ他)を筆頭にキャリアのある敏腕ばかり。しかも、彼らが奏でるのはゴリゴリのオーセンティック・スカだ。

 「高校は吹奏楽部に入ってたんですけど、そのころスカパラが好きになって。大学でスカ~レゲエが専門の中南米研究会というサークルに入って、そこでスカタライツの完全コピー・バンドを始めたんです。それがいまのThe SKAMOTTSの前身バンド」(岡村トモ子:以下同)。

 その前身バンドはやがて寿アーバンメイツを名乗り、2000年代の東京ライヴ・シーンで活躍することに。だが、「大学卒業を機にみんな就職をして、なかなか活動できなくなっちゃったんですね。私もいま以上に熱血だったんで、メンバー全員クビにしちゃって」ということから解散。その後、岡村も自身のバンド活動で多忙を極めることになるが……。

 「〈やっぱりスカをやりたい〉という気持ちが10年ぐらい引っかかってたんです。メンバーそれぞれ忙しいので再結成するのも大変だろうから、思い出作りにアルバムを一枚作ればその気持ちも成仏するんじゃないかと思って(笑)」。

 そうして寿アーバンメイツの元メンバーの一部と新しく呼び寄せたプレイヤーによって作られたのが、昨年の自主制作盤『The SKAMOTTS』だった。その一枚を作り終えて活動を終了するはずだったものの、事態は岡村の予想もしなかった方向に転がりはじめる。

 「レコーディングしているうちに〈ライヴもやりたいよね〉という声がメンバーの間から自然と出てきて……すごく嬉しかったですね。みんな普段の活動では〈音楽をやるぞ!〉という意識でやってると思うんですけど、このバンドでは半分オン、半分オフみたいな感覚なんです」。

The SKAMOTTS Dance with The SKAMOTTS!!! Playwright(2018)

 本格始動することになったThe SKA MOTTSが今回完成させたのが『Dance with The SKAMOTTS』。収録曲の多くが本作のための書き下ろし曲だが、スカタライツのレパートリーでもあった“Exodus”(原曲は60年の映画「栄光への脱出」のテーマ曲)のカヴァーや、リコ・ロドリゲス“Africa”のオマージュも忍ばせた“Orb”など、随所でオーセンティック・スカ/レゲエへのマニアックな愛情も滲む。

 「今回はオーセンティック・スカに帰ろうと。ただ、スカタライツのグルーヴをそのままやるのは無理だし、いまの私たちがやっても意味がない。だったら、私たちのグルーヴをいま改めてやってみたら楽しいんじゃない?というところから始まりました」。

 そこに収められているのは、まるでサークル時代に戻ったかのようにリラックスした〈私たちのグルーヴ〉。分厚いホーンのハーモニー、疾走するリズム、夜のムードを纏った哀愁のメロディーは、まさにスカ黄金時代である60年代のスタイルを思わせるものだが、そこには各人がそれぞれのバンドで奮闘してきた成果もはっきりと表れている。岡村もまた、改めてスカの魅力の気付かされたという。

 「私もいろんな活動をしてきましたけど、どこでやってもドラムとベースのことを無意識のうちに重視していたんです。それはスカをずっと聴いてきた影響であって、今回レコーディングしてみて、このグルーヴ、このバランスなんだよなとすごくしっくりくるものがあった。スカはやっぱり自分のルーツなんですよね。あまり気負わず、長く続けていければいいなと思ってます」。

 


The SKAMOTTS
たをやめオルケスタ、チャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカンなどでも活動する岡村トモ子(アルト・サックス)が中心となって2017年に結成されたスカ・バンド。メンバーは岡村のほか、チャンケン(トランペット)、真之輔(トロンボーン)、森影旦(テナー・サックス)、山中ヒデ之(バリトン・サックス)、クラッチ(ピアノ/オルガン)、斉藤翔(ギター)、廣瀬拓音(ベース)、高橋アフィ(ドラムス)。当初はレコーディングのみで集まったが、ミニ・アルバム『The SKAMOTTS』制作後はライヴ活動も展開。今年に入り、Playwrightのレーベル・コンピ『Family Vol.2』参加を経て、6月6日にファースト・アルバム『Dance with The SKAMOTTS!!!』(Playwright)をリリースする。