これは間違いなく後年リーブマンの最高傑作に数えられるだろう。今の時代に刻んだ真摯な追求の大きな実りだ。時代の風潮に惑うことなく様々なディメンションで演奏を続けてきたリーブマン、フリー・ジャズの時代をも包含するジャズの歴史がここに集約された。それにしてもリズムセクションの驚愕の素晴らしさだ。ワーナーへの見方を一変させるハイテンションなプレイはあえてセシル・テイラー・ファンへ薦めたい。かつてマイルスがかけた〈メンバーへの魔法〉が全員を高みへと飛翔させる。②での〈フリーな瞬間〉は、ジャズがあらゆる可能性をまだまだ見せてないことを感じさせる。全身で推薦したい。