新旧フィールドを跨ぐ若き歌姫の公式デビュー・アルバム。制作や演奏でDJダーヒーら過去にコラボした気鋭が集結し、レゲトン・シンガーとも共演してコロンビア出身らしい南米ルーツも滲ませながら妖艶なヴォーカルでポップに決め込んだ内容は多方面に光を放つ。ゴリラズが関与したユーロな疾走チューン、スティーヴ・レイシーやケヴィン・パーカーが手掛けたディスコ~ブギー調、ジョルジャ・スミスと声を交えたサウンウェイヴ制作曲など、話題性と独創性は当代随一。なかでもバッドバッドノットグッドの制作でブーツィ・コリンズとタイラー・ザ・クリエイターを迎えた先行曲“After The Storm”は出色の出来で、このサイケで気怠いメロウ・ソウルに彼女の魅力が集約されていると言ってもいい。