INTERVIEW

宮野真守 『MAMORU MIYANO presents M&M THE BEST』 今までやってきたことは間違いじゃなかった

宮野真守 『MAMORU MIYANO presents M&M THE BEST』 今までやってきたことは間違いじゃなかった

アーティスト・デビュー10周年を記念して、自身初となるベスト・アルバム『MAMORU MIYANO presents M&M THE BEST』を6月8日にリリースする宮野真守。声優、俳優、歌手の三足のわらじを履き、どこまでも〈魅せる〉ことにこだわる彼の10年の軌跡、そしてデビュー時から変わらぬ三本柱を丸ごと味わえる必聴盤だ。

宮野真守 MAMORU MIYANO presents M&M THE BEST キング アミューズメント クリエイティブ(2018)

宮野真守は〈ズルい〉男である。デビュー10周年を記念した初ベスト盤、しかもシングルが時系列に並べられているとくれば、まだ拙かった歌唱力が曲を追うごとに進化してゆく……というドラマを期待しても無理はないだろう。しかし、全16枚のシングルを集めたDISC1の冒頭を飾るデビュー曲“Discovery”から、その歌唱力は驚くほどズバ抜けたもの。また、3rd“J☆S”ではヒップホップ、4thの“REFRAIN”ではバラード、6thの“オルフェ”では熱いロックに挑戦しているが、そのどれもが〈チャレンジ〉という単語の響きとはかけ離れた一級品なのだ。初めてだから温かく見守って下さいというエクスキューズは一切ナシ。その度に〈だまされた!〉と、何度甘い裏切りでファンの心を撃ち抜いてきたことだろう。

「そう言っていただけて嬉しいですね。僕自身がプレイヤーなので、いざプレイするとなったときには、しっかり作品として見せられるものでないといけない。そう考えているから、それ相応の経験を積んでから発表したいという気持ちがあるんです」

2001年に声優としてデビューして以来、〈DEATH NOTE〉や〈機動戦士ガンダム00〉といった人気作で注目を集め、昨今では〈はいからさんが通る〉の伊集院忍や〈銀河英雄伝説 Die Neue These〉のラインハルト・フォン・ローエングラムを。また、舞台俳優としても〈王家の紋章〉のイズミル王子と、往年の名作に登場する〈憧れの王子様〉を根こそぎ演じている宮野真守。そんな彼にとってプレイヤー、すなわち人前に立つ〈演者〉であることは譲れないプライドである。初期からの盟友・TSUGE、数々の名バラードの生みの親・Jin Nakamura、アニソン界の巨匠・上松範康、ブラックミュージックの旗手・STY等、多様なクリエイター陣との共同制作を通じて多彩な物語を表現すること。そうしてリスナーとオーディエンスを楽しませることは、彼の音楽活動における最優先事項だ。

「ずっと表に立ってパフォーマンスしてきた人間なので、音楽を始めるにあたってもステージでの見せ方を重視したかったんです。そのために、できるだけいろんなジャンルや音楽の引き出しを用意して、エンターテイメント性を高めたかったんですよね」

そう話す通り、宮野真守のライブは常にド派手な演出に彩られている。時にシリアス、時にコミカルな表情でファンを惹きつける映像、ダンサーを従えた躍動的なパフォーマンス、アリーナ規模の会場でも積極的に客席を回り、エンターテイナーとして超一流であるからこそ、日本武道館や横浜アリーナといった大会場での公演を成功させるに至ったことに疑いの余地はない。しかし、それも全て「一緒にライブを作ってくれるファンのおかげ」だと彼は言う。

「だからベスト盤でもシングル以外の収録曲はファンからのリクエストで決めることにしたんです。そうしたらDISC2にはメロウなバラード、ライブ映像を繋げたDISC3(初回限定生産盤封入)はダンスナンバーに人気があって! デビュー当時から自分が大事にしてきた軸を、ちゃんとファンの方々が好きでいてくれているのを知って、今までやってきたことは間違いじゃなかったと思えました」

アニメやゲームのタイアップも多いシングル曲はキャッチーな疾走感にあふれ、シンガーとしては純粋に〈歌〉を届ける。そしてパフォーマーとしては必須のダンスナンバーと、本作には宮野真守の中核を形成する3つの要素が見事に揃っている。さらに、タイトル通り繊細な旋律が温もりを与える“そっと溶けてゆくように”と、自身も「めちゃめちゃカッコいい!」と絶賛するレゲトン・パーティーチューン“EXCITING!”の新曲2曲も対照的で、「すごいふり幅ですよね」と笑みを漏らした。

10周年を祝うライヴツアーでは、遂にさいたまスーパーアリーナでの単独公演も決定。全会場がアリーナクラスなだけに、エンタメ特化型を誇るそのステージには期待が高まる。

「これだけ大きなところでやれるのも積み重ねてきた10年があるからこそですよね。あらゆるパフォーマンスを可能にするために、今日に至るまで身体も鍛えて、命懸けでやってきました。どんなことがあってもステージに立ち続けたい。だから10周年の後もストイックに、今、できることを追求していきたいです」

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